日々の中で疲れを感じたとき、
ふとした音や響きが心を落ち着かせてくれることがあります。
特に古くから伝わるマントラやお経などには、
空間や心を整える力があります。
オームは、サンスクリット語に由来する音で、
「宇宙のはじまりの音」とも呼ばれています。
見た目は「Om(オーム)」ですが、
実際には「A(ア)」「U(ウ)」「M(ン)」の三つの音から構成されています。
A(ア):のど~胸に響く音
U(ウ):胸~みぞおちにかけて響く音
M(ン):下腹部から骨盤あたりに深く響く音
この3つの音をゆっくりと順に発声すると、
音の振動が身体の内側に伝わっていきます。
声を出すことで生まれる微細な振動が、
心身のバランスを整える作用をもたらすと考えられています。
私たちの体は約70%が水分でできており、
音の振動が非常に伝わりやすい構造になっています。
とくに自分の声で出す音は骨や内臓、神経系にまで振動が届きやすく、
まるで内側からの音によるマッサージのような働きかけが生まれます。
このような「共鳴」は、自律神経の調整やリラクゼーション効果につながるとされ、
呼吸と組み合わせて行うと、深い安定感や集中状態を促すことができます。
マントラやお経は、ただの言葉の羅列ではありません。
発音やリズム、音の高低などが緻密に設計されており、
それぞれの音に特定の意味や作用があると伝えられています。
たとえばお経を一定のリズムで唱えることは、呼吸を整えることにもつながり、
結果的に気持ちを静めたり集中力を高める効果が生まれやすくなります。
こうした音の活用は特別な環境がなくても、
日常の中に取り入れることができます。
朝の支度の前や夜寝る前のほんの数分、
静かな場所でゆっくりと「ア~ウ~ン」と声に出してみる。
それだけでも呼吸が深まり、思考がクリアになりやすくなります。
オームという音の中には「静けさ」と「再生」と「祈り」が込められています。
それは言葉を超えた響きが私たちの本質に触れるから。
もし今日ちょっと疲れていたら、
深呼吸と一緒に静かに「ア~ウ~ン」と声に出してみてください。
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