呼吸をするとき、
胸やお腹だけでなく背骨や仙骨も
小さく波打つように動いています。
息を吸えば背骨は
そっと反るようにしなり仙骨は前へ。
吐くときには背骨はゆるやかに丸まり、
仙骨は後ろへ。
このわずかな揺らぎは、
自律神経の働きと深く結びついています。
特に脳から内臓へと伸びる「迷走神経」。
この神経は副交感神経の大きな通り道で、
背骨や仙骨のリズムと呼応しながら、
呼吸・心拍・消化などを整えてくれます。
背骨と仙骨の動きが迷走神経に影響を与えるメカニズムは、
主に二つの側面から考えられます。
一つは、
迷走神経が背骨や仙骨の周りを通っていることです。
迷走神経は、
脳から首、胸、お腹へと枝分かれしながら伸びており、
その一部は
背骨や仙骨の周りの筋肉や結合組織と密接に関わっています。
そのため背骨や仙骨が硬くなると、
これらの組織が緊張し、
迷走神経の通り道を圧迫したり、
働きを阻害したりする可能性があります。
逆に背骨と仙骨がスムーズに動くことで、
迷走神経が物理的な圧迫から解放され、
その伝達がスムーズになると考えられます。
もう一つは、
脳脊髄液(のうせきずいえき)の流れです。
脳脊髄液は脳や脊髄を保護し、
栄養を運ぶ役割を持つ液体で、
背骨と仙骨のわずかな動きによって
ポンプのように循環しています。
この脳脊髄液の流れがスムーズになることで、
中枢神経系全体の機能が向上し、
結果的に自律神経のバランスも整えられます。
現代社会では、
デスクワークやスマートフォンの使いすぎなどにより、
長時間同じ姿勢を続けることが増え、
多くの人の背骨や仙骨は硬くなりがちです。
この「硬さ」が、迷走神経の働きを鈍らせ、
以下のような様々な不調を引き起こす原因の一つと考えられます。
①呼吸が浅くなる:
胸郭や背骨の動きが制限され、
深く息を吸い込むことが難しくなります。
② 内臓の動きの停滞:
消化器系の働きが鈍り、
便秘や胃腸の不調につながることがあります。
③ 心の不安定さ:
自律神経のバランスが崩れ、
イライラしたり不安を感じやすくなったりします。
SIESTAの施術では、
この「小さなリズム」に寄り添いながら、
自律神経を静かに調律していきます。
しかし、日々の生活でも、
背骨と仙骨の動きを意識してあげることは可能です。
☘️ 簡単なストレッチ:
背骨を丸めたり反らしたりするような、
猫と牛のポーズ(キャットアンドカウ)のようなストレッチは、
背骨の柔軟性を高めるのに役立ちます。
☘️ 正しい座り方を意識:
長時間座る際は
仙骨が立ち、背骨が自然なS字カーブを描くように
クッションなどを活用してみましょう。
☘️ ゆっくりとした腹式呼吸:
深くゆっくりと息を吸い、吐くことで、
胸郭や背骨の動きを促し、
迷走神経を優しく刺激することができます。
これらの小さなアクションを習慣化することで、
体が内側からほどけていく感覚を、
ぜひ味わってみてください。
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