寝ている時、突然ふくらはぎに走る激痛。
筋肉がぎゅっと縮み、
動かそうにも動かせない。
やっと痛みが治まっても、
またつるのではないかと、
寝返りを打つことさえ怖くなる。
このように、ふくらはぎの筋肉が突然つる現象を、
一般に「こむら返り」と呼びます。
でも、ふくらはぎがつるのに、
なぜ「ふくらはぎ返り」ではないのでしょう?
それを知ろうとすると、
日本語の歴史は平安時代にまでさかのぼります。
現在一般的に使われる「ふくらはぎ」は、
脚の後ろ側がふっくらと膨らんでいる形を表した言葉です。
漢字では「脹脛」と書き、
「脹」は膨らむこと、
「脛」はすねのこと。
つまり、膨らんだすねという、
見た目から生まれた名前です。
一方、昔は同じ場所を「こむら」「こぶら」と呼んでいます。
漢字では「腓」と書き、
現在の「腓腹筋(ひふくきん)」という筋肉の名前に、
その字が残っています。
『日本国語大辞典』によると、
近世になると東国語系の「ふくらはぎ」という呼び名が現れ、
江戸時代後期には広く使われるようになりました。
こうして呼び名が移り変わる中で、
「こむら」という言葉は「こむら返り」の中に残っています。
934年頃に成立した辞書
『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』には、
「転筋(てんきん)」という言葉が記されています。
その日本語の読みとして記録されているのが、
「古无良加倍利(こむらがえり)」
約1100年前とほとんど変わらない呼び方です。
「返り」は、筋肉がひっくり返るような感覚を表したもの。
実際に筋肉が裏返っているわけではありませんよ。
さらに、1305年に成立した
『雑談集(ぞうたんしゅう)』には、
転筋の対処として、木瓜(ぼけ)をあぶり、
患部をさするという方法が登場します。
現在の医学で効果が確立された方法ではありませんが、
約700年前の人々が
あの突然の痛みを何とか和らげようとしていたことが分かります。
医学が発達した現代でも、
こむら返りの原因がすべて解明されているわけではありません。
筋肉は普段、神経からの指令によって働いています。
歩く、立ち上がる、姿勢を保つ。
身体を大きく動かしていなくても、
姿勢を維持するために筋肉は働いています。
しかしこむら返りは、
自分の意思とは関係なく筋肉が突然強く収縮し、
なかなか緩まなくなる現象です。
これには、筋肉を動かす運動神経の過剰な活動が関係すると考えられています。
いわば、神経と筋肉の制御に一時的な「誤作動」が起きているような状態です。
水分不足や大量の発汗、
筋肉の疲労、電解質の異常、
一部の薬や病気などが関係する場合もありますが、
年齢を重ねるほど起こりやすくなる傾向も知られています。
特に夜間のこむら返りでは、
原因がはっきりしないことも少なくありません。
ふくらはぎがつった場合は、
強く縮んでいる筋肉をゆっくり伸ばすことが基本です。
☘️1. つった足の膝をゆっくり伸ばします。
☘️2. つま先をすねの方へ、そっと引き寄せます。
☘️3. 痛みの様子を見ながら、無理のない範囲で伸ばします。
手が届かない場合は、
足の裏にタオルをかけて引き寄せる方法もあります。
安全に立てる状態なら、
足裏を床につけて体重をかけると楽になります。
予防策の一つが、寝る前のふくらはぎのストレッチです。
壁に両手をついて片足を後ろへ引き、
後ろ足の膝を伸ばしたまま、
かかとを床につけます。
ふくらはぎが伸びるところで
20〜30秒ほど保ち、ゆっくり戻します。
反動をつけず、痛みのない範囲で行いましょう。
寝る前のストレッチは、
夜間のこむら返りを減らすのに役立つ場合がありますが、
予防効果には個人差があります。
大量に汗をかいた時には
水分や電解質を補給し、
筋肉の疲労が強い時には休息を取ることも大切です。
何度も繰り返して睡眠に支障が出る場合や、しびれ・腫れを伴う場合、けいれんが長く続く場合は、医療機関へ相談してください。
かつて「こむら」と呼ばれていたふくらはぎ。
「こむら返り」という言葉には、
平安時代から続く古い日本語が残されています。
約1100年前の文献にも記されていた、突然筋肉がつるという現象。
医学が進歩した現代でも、
まだ解明されていない部分が残っているというのは、
なんとも不思議です。
* 『和名類聚抄』(934年頃成立)
* 『雑談集』(1305年成立)
* 小学館『日本国語大辞典』「腓」「脹脛」「転筋」
SIESTAでは
首肩・背中・脚・頭・顔まわりまで、
その日の体の状態を見ながら
全身を整えていきます。
月島で静かに体を休めたい方は
施術内容やご予約方法を
こちらからご覧ください⬇︎
リラクゼーションサロン SIESTA
東京都中央区佃1-9-3-201
月島・勝どきエリア
有楽町線 ・大江戸線 月島駅 徒歩3分
銀座一丁目から2駅の場所にあります。



